スモールビジネスを始めてまず気になるのが「売上」ですよね。
「成功談と失敗談、どっちの話を聞いたら売上アップに結びつく?」こんな質問をされたらどう答えますか?
スモールビジネスの売上アップに役立つのはどっち?成功談 or 失敗談
実は売上アップにつながるという意味で、圧倒的に貴重なのは失敗体験の話、つまり失敗談なんです。
もともと江戸時代の大名で剣術の達人でもあった松浦静山の言葉ですが、プロ野球の故野村克也監督が言ったことで有名になりました。
勝った試合を振り返り「なぜ勝ったのか?」を分析してみても、思い当たるのは「勢い」だったり「時の運」だったりして「勝ちの要因」を特定するのは難しいもの。
一方、負けた時には「なんとなく負けた」ということは少なく、「あの時の判断」「相手の戦略の読み違い」など特定できるもの。つまり「負けの要因」が明白なのです。なので、次からはそれを「回避」すれば「同じ負け方」をすることはなくなるはず。
それを何度か繰り返せば、「負ける要因」そのものがなくなり最終的に勝てることになるわけです。
なので失敗した話、つまり失敗談を聞くことの方が100倍貴重なのです。
「失敗は成功のもと」はスモールビジネスにも当てはまるか?
ところでよく聞きますよね「失敗は成功のもと」と言う言葉。
これはまさにスモールビジネスにおいてこそ当てはまる!と言いたいのです。ただし「仮説を立てた上での失敗なら」と付け加えておきましょう。
スモールビジネスにおいて「売上アップ」を確実にするのはアイデアではありません。もちろんアイデアも大事。でももっと大事なことは、そのアイデアを市場に出す時に
新しいことを試みる場合必ず仮説を立てることが必要です。で、失敗した場合には、仮説が間違っていたことになるので、次に別の仮説を立ててやってみる。
これを繰り返すことで「仮説の精度」が高まります。つまり「これをやったらこう言う結果になるに違いない」が当たるようになる。そして結果としての成功確率が上がる。なので、「仮説を立てた上での失敗ことが成功のもと」であると言うことがいえます。
もう少しビジネス的に言うと
- リーンスタートアップ
- MVP
と言われているものがそれです。
リーンスタートアップとは、小さな投資で事業やサービスを「完璧になるのを待たずに」スタートしてしまうと言う考え方。事業やサービスが「絶対これで行ける!」となるには時間がかかります。場合によっては時間をかけてもそうならないかも。だとしたら、それは「市場の判断」に委ね、6割程度できたらスタートしてしまうのです。そして顧客からのフィードバックをもとに修正を重ねベターなものにしていくと言う考えです。
同時に重要な考え方としてMVP(Minimum Viable Product)があります。これは「顧客に受け入れてもらえる最低レベルの製品」と言う意味です。大きなコストをかけて完璧な製品を作った上で市場投入しても「全く売れない」という結果になる可能性もあります。そうなったらお金や時間、エネルギーの無駄ですよね。だったら「これなら絶対受け入れてもらえるだろうと言う最低レベルのスペック」で作る製品のこと。リーンスタートアップの考え方と同様、まずは市場に出していく。そして顧客からフィードバックをもらってクオリティを高めていくと言うスタイル。
どちらも最初に言われ始めたのはベンチャーの世界ですが、私は「経営資源をほぼ自腹でまかなっているスモールビジネスこそ取り入れるべき考え方」だと思っています。
まとめ
「スモールビジネスが売上を上げるにはどうしたらいいの?」コンサルやセミナーをやっているとよく聞かれる質問です。答えはビジネスごとに違うのですが、全てのスモールビジネスに対して共通に言えることで、しかも、めちゃめちゃ大事なことが
だと思っています。
やっているうちに仮説の精度が高まり売上アップに結びつく可能性が高まります。失敗は仮説を立てた上であれば、貴重はアセット。その意味では人の失敗談も貴重品なのです。なので、「成功談と失敗談、どっちが聞きたい?」と質問されたら、迷わず「失敗談!」と言って下さい。
(あ)
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