スモールビジネスの失敗原因_5選_事例付き

スモールビジネス

スモールビジネスの失敗の原因。

その多くはスモールビジネス「ならでは」のもの。スタートアップや中小企業の「失敗原因」とは違います。

ここでは、スモールビジネスが陥りやすい失敗原因をご紹介します。これらを事前に知っておくことで、失敗回避につながれば幸いです。

まずは5つを全部ご紹介します。

  • 失敗原因1:市場選びの失敗
  • 失敗原因2:「知られない」状態を放置する
  • 失敗原因3:「誰と組むか」に細心の注意を払わない
  • 失敗原因4:レバレッジの効かないビジネスモデル
  • 失敗原因5:低いコスト意識 

スモールビジネスの失敗原因_5選

スモールビジネスは「大きな資本を投下することなくスタートできるビジネス」

なので「失敗確率は低い」とされています。しかしそれでも失敗するスモールビジネスはあります。あるいは、鳴かず飛ばずのまま経営し続けているスモールビジネスもあります。

私の日米での経験からスモールビジネスの失敗原因は五つに大別できると考えています。ここでは失敗原因とその対策についてご紹介します。

失敗原因1:市場選びの失敗

スモールビジネスは「市場選び」が何よりも重要。

もちろん「市場選び」はスモールビジネスに限らず重要なこと。でも、特にスモールビジネスにおいてはとりわけ重要です。

なぜなら、スモールビジネスは大企業と違って「リソースが限られている」から。 なので、以下に注意しながら「市場選択」をすべきです。 

1)潜在ニーズを開発しない

見込み客のニーズは2つあります。

  • 既に顕在化しているニーズ
  • 開発しないと表面に現れてこない潜在ニーズ

です。

一般的には

潜在ニーズの方がボリュームが大きい(下図)ので魅力を感じることがあります。そして、それを「掘り当てて」成功する場合もあります。

Latent & Apparent Needs

ですが、潜在ニーズを顕在化させる作業には労力やコストがかかります。リソース(人・モノ・カネ・情報)の限られているスモールビジネスは、すでに顕在化されているニーズをマネタイズすることにリソースを集中させましょう。これが「市場選び」の注意点の一つ目です。

2)厳しい競合市場で勝負しない

スモールビジネスは原則「戦うべからず」です。

できるだけ競合のいない市場を選択しましょう。もし競合がいる市場への参入を余儀なくされる場合でも「あまり強い競合のいない市場」を選んでいきましょう。

競合がたくさんいる市場は「顧客の多い市場」であることは間違いありません。でも

「大きな市場=あなたが勝てる市場」とは限りません

こんな思い込みで失敗するスモールビジネスは後を絶ちません。 注意しましょう。

<事例>ライザップのアメリカ進出

ライザップのアメリカ進出における失敗事例についてご紹介します。

もちろん、ライザップはスモールビジネスではありません。しかしアメリカ市場では「大企業」ではないことも事実。なのでスモールビジネス・オーナーには役立つ事例だと思ったのでご紹介しておきます。

市場規模は日本の10倍弱とも言われているアメリカのスポーツジム市場。アメリカのスポーツジムは24時間営業、専門スキルを身につけたパーソナルトレーナーが常駐しているのは当たり前。さらには、近隣のショッピングモールとも連携して集客の仕組みを作っているジムも多い中「ライザップの強み」が「市場で勝てる要因」になるまでに「大きな市場に飲み込まれてしまった」事例だと理解しました。

3)やりたいことを追求しすぎない 

スモールビジネスの魅力の一つは「あなたがやりたいことを実現できる」ところ。

でも「やりたいこと」を追求するあまり「見込み客が望んでいること」を忘れてしまい失敗するスモールビジネスも少なくありません。

正しい順番は

  1. 「見込み客の望むこと」に応える
  2. その中で「あなたがやりたいこと」を見つける
  3. さらに「あなたがやりたい方法」が顧客の自己実現をサポートする方法であればそれを追求

です。 

 

このように「市場選びの失敗」がスモールビジネスが陥りやすいい失敗原因の一つ目です。

失敗原因2:「知られない」状態を放置する

顧客獲得の基本的なステップは

  1. 知られる
  2. 集める
  3. 成約する

です。

ざっくり言うと

  • 集める(集客する)=期待値を上げる
  • 成約する=見込み客のなりたい姿(ベネフィット)を約束する

です。

「集客と成約」は商品周辺の魅力を増すことによって可能になります。しかし、商品周りのことを考えているのに「知られる」ための施策を疎かにしている(と言うかスキルが不足している)スモールビジネスは意外と多いのです。「知られない」状態を放置することは最大の失敗要因の一つ。

失敗原因3:「誰と組むか」に細心の注意を払わない

ジム・コリンズ著の世界的ベストセラー「ビジョナリー・カンパニー2」

「誰をバスに乗せるのか」が組織の運命を決める

と書かれています。つまり、「誰とビジネスをするか」がビジネスの命運を決めるのです。

これはスモールビジネスにも当てはまります。と言うか「スモールビジネスにこそ大きな影響を与える」ものが「誰と組むか」です。

創業メンバーが

  • 必ずしも同じ価値観を持っていなかった
  • 目指す方向が実は違っていた
  • 相容れない考え方を持っていた

などにより失敗に至るということはよくあること。

スタート前にちゃんと

  • 将来像
  • ビジネスのやり方/ものごとの進め方
  • 好きなこと/嫌いなこと
  • 時間管理の仕方/メールなどの返信の早さ

を話し合うといった「簡単なこと」で最も重要な「誰と組むか」の間違いを避けることができます。「誰と組むか」に細心の注意を払いましょう。

失敗原因4:レバレッジの効かないビジネスモデル

基本的には「ビジネスモデルそのものに良し悪しはない」と思っています。

しかし、

リソースの少ないスモールビジネスが成長していくためには「レバレッジ」は必要

もし「レバレッジのかかりにくい」ビジネスモデルであれば、長期的には失敗する可能性が高いとこれまでの経験から強く思っています。

もちろん、初期段階では「一の仕事で一の報酬を得る」ことは悪くありません。でも永遠にそのビジネスモデルだと疲弊してしまいます。ビジネスの成長にしたがって

  • 一の仕事で十の報酬を得る
  • 一度作ったもので長期間キャッシュがインフローする

ようなビジネスモデルを最初から計画していくことが重要。

しかし現実的には「レバレッジの効かないビジネスモデル」を「分かっていて」取り入れてしまうビジネスも少なくありません。何故なら創業時の「頑張ればなんとかなる」という精神論が仕組みによる合理性を凌ぐ時期があるからです。でも一旦冷静になって「レバレッジの考え方」を最初から取り入れましょう。

失敗原因5:低いコスト意識

比較的「コストをかけずにできる」のがスモールビジネスのメリットです。

が、それゆえに「低いコスト意識」でスタートしてしまうのもスモールビジネスの特徴とも言えます。スモールビジネスとは言え「ビジネスはビジネス」。当然コストはかかってきます。

特に注意すべきは以下の2点です。

  • コスト見込みを甘く見積もる➡︎特に初期段階と売上ブーストのための「マーケティングコスト」
  • コストの解像度が低い➡︎特に決済システムなどの「月額料金」

などで破綻するスモールビジネスは少なくありません。

このようなコストを甘く見ないことが重要。当たり前と言えば当たり前ですが、これを「なんとかなるさ」的に扱って失敗するスモールビジネスが少なくありません。 言わずもがな・・・ではありますが「コスト項目の解像度を高くして意識をしっかり持ちましょう」

まとめ

気軽に始められるスモールビジネスだけに

  • 根拠のない楽観主義
  • 「頑張ればなんとかなる」という精神論
  • フェーズごとに最重要なことを見誤る

ことがあります。

それによって

  • 撤退
  • 鳴かず飛ばずのまま継続

といったスモールビジネスが後を絶ちません。なのでその失敗原因を5つご紹介しました。

  • 失敗原因1:市場選びの失敗
  • 失敗原因2:「知られない」状態を放置する
  • 失敗原因3:「誰と組むか」に細心の注意を払わない
  • 失敗原因4:レバレッジの効かないビジネスモデル
  • 失敗原因5:低いコスト意識 

注意してみて下さい。また、逆に「伸びているスモールビジネス・オーナーが大切にしていること」もあります。こちらも参考にして下さい。

ではまた

(あ)

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