スモールビジネスには、スモールビジネスの特性を活かした勝ち方があります。それは、
です。
この領域とやり方で勝負することが
- 明確なニーズがあり
- 大企業と勝負しなくていい環境
- 高い機動性という得意技で
経営資源が少ないスモールビジネスの勝ち方なのです。
では、このために何が必要か?
それは行動につながるコミュニケーション、
すなわち「数字で語る」ことです。

え、そんなこと?

それだけなの?
と思われるかもしれません。
でも、これがないとスモールビジネスの売上はまず上がりません。「数字で語る」はそれほど大事なことなのです。
これができてないスモールビジネスは売上が上がらない
ビジネスとは「数字を積み重ねるゲーム」です。普通に考えると経営資源の豊富な大企業が勝つゲームのように思いますが、スモールビジネスならでは勝負の仕方をすれば「スモールビジネスでも勝てる」のです。
勝ち方は(繰り替えしになりますが)
- どこで勝負するか(明確なニーズがあり大企業が参入してこない領域)
- どのように勝負するか(高い機動性を活かした戦い方)
によるのです。
で、そのために必要なのが「数字」なのです。以下特にスモールビジネスでは「数字で語る」必要がある理由を3つお伝えします。
3つの理由
1)数字で勝負する領域を設定
スモールビジネスは「どこで勝負するか」、つまり土俵を設定することが極めて重要です。
スモールビジネスが狙うべき領域は、
- 大企業が狙わない領域
- 効率よくカバーできる範囲のエリア
- 信用力が届く範囲の将来の相手先
がそれです。
なので、
- 〇〇分野の売上高「いくら以下」の規模の企業
- 社員「〇〇人から〇〇人」の規模の企業
- 東京から半径〇〇キロ以内にある企業
などを数字で領域を規定し社内で共有することが重要です。もちろん、物理的なエリアの制約を受けない業態では「半径〇〇キロ以内」ではなくデモグラデータで領域を規定することになるかもしれません。それでもその規定の仕方は「数字」を使って規定すべきです。
2)数字で「すべきこと」を決める
複数の人間が集まれば、必ず「声の大きな人」とそうでない人が出てくるもの。「声の大きな人」とは年長者・経験者・立場が上の人などです。
で、ややもすると、そういった「声の大きな人」に意見が流されがちです。特に関係者が比較的少数であることの多いスモールビジネスでは「声の大きな人」の影響力は相対的に高まります。しかし、そういう人が正しいことを言っているかというとまた別問題。現場に近い人の方が顧客情報を正確に把握している可能性があります。なので数字が必要になってくるのです。

この商品はダメだな。ヒアリングしたらみんなダメだと言っているし、これまでずっとそうだった。
「声の大きな人」のこのような発言を聞いたことありませんか?
でも

「みんな」って誰?何人ぐらい?「ずっと」っていつからの話?
とツッコミを入れたくなります。でも、このような議論をすることなく「声の大きな人」が言った方向に行ってしまいがちなのも事実。しかしスモールビジネスでこうなったらアウトです。軌道修正する頃にキャッシュフローが大変なことになってるかもしれません。そんな悲惨な状況を避けるために特にスモールビジネスでは数字で語ることが必要なのです。
3)数字で高速PDCAを回す
スモールビジネスは高速でPDCAを回してパフォーマンスを上げていくことが必要。
これについては別記事で紹介してますのでこちらをどうぞ
特にP(計画)フェーズでは
- 成約件数を〇〇%アップさせる
- そのためには一人〇〇件のアポ取りが必要
と全て数字を使うことで

では自分は〇〇件アポ取りを増やす必要があるんだな
と行動に落とし込むことができるようになります。
さらにA(調整)フェーズでは、

この状況では締切までに間に合わせるためには一人当たりのアポ取りを〇〇件に変更する必要があるんだな
と、これも数字で語ることで具体的な行動に移るようになります。
決して

少し足りないから、もっと頑張ろう
とか言わないでくださいね。
これらがスモールビジネスこそ「数字で語る」べき理由の二つ目です。では具体的に誰に・どのように「数字で語る」を実践したらいいかについてお伝えします。
誰に語るか
「数字で語る」相手として主に挙げられるのが以下の3つです。もちろん、それ以外にも「数字で語る方が相手の行動を動かせる」人はいますが、とりあえず「主な人」ということで挙げておきます。
見込み客

うちの製品を導入すると御社の経費がびっくりするほど削減できますよ
より

うちの製品を導入すると年間で200万円コスト削減できます
の方が圧倒的に説得力ありますよね。
また、

この施策を実施すれば売上アップ間違いなしです
より

この施策を実施すると〇〇人にリーチできます。これまでの成約率が変わらないとしても〇〇人分の売上アップが見込めます
の方が「じゃ試してみるか」になりますよね。数字ってこういうことです。
スタッフ
「今期売上目標は〇〇アップを目指す!」と数字を使って号令をかけるわりには「じゃ具体的にどうするの」まで数字で語る経営者は多くありません。
「だからみんなもっと頑張ろう!」とか「しっかりやろう」とかの指示で終わっていることは本当によくあること。
本来「じゃ具体的にどうするの」は
- アポ取り目標をいつもの2割増しとか
- 今月の訪問件数は〇〇件
とかの具体的な数字にしないと意味ありませんよね。これがスタッフに数字で語るということです。
自分
忘れてはならないのは自分とのコミュニケーション。
- SNS頑張ろう!ではなく毎日〇〇投稿する
- 得意先訪問をないがしろにしないぞ!ではなく、今月はスタッフと一緒に〇〇件得意先を訪問する
とかの数字で自分自身に語ることは意識変更・行動変容にとって重要なことです。
どのように語るか
では「数字で語る」と言っても一体どのようにやるの?についてですが・・・
大事なのは2点です。
- ざっくり数字で語る
- 単位数字で語る
です。
ざっくり数字で語る
これは経営数字についてです。正確で細かな数字は税務上や会計上必要かもしれません。でも
- 経営状態のおおまかな把握
- 売上に結びつける行動促進
のためには「ざっくり数字」の方がいいのです。

昨年度の売上は851万3千円だったから、来期は1000万円を目指そう
より

昨年度は850万円だったから、来期は1000万の大台に乗せよう
の方が「850」「1000」という数字が記憶に残りやすく行動に移りやすいのです。
単位数字で語る
もう一つは「単位数字」で語るです。
要は
- 一人当たり
- 一個当たり
- 一平米当たり
など「違いが分かる数字」「自分ごと化しやすい数字」で語ることです。
- 昨年度は、社員20人で売上1億円
- 今年度は、社員を30人に増やしたので売上1億3千万円に増えた
これどっちがいいのでしょうか?
この数字だけ見ててもよくわからないし、売上1億3千万の方が良さそうに見えるかも。
でも、一人当たりにすると実態が見えてきます。
- 昨年度は、一人当たり500万円の売上
- 今年度は、一人当たり430万円の売上
となり、一人当たりのパフォーマンスは昨年度の方が良かったことがわかってきます。これによって
- 全体の戦略も見えてくるし
- それぞれが何をやるべきか
が見えてきます。その結果、来年度は「一人当たり550万円」「一月当たり〇〇万円」「毎週のアポの数を〇〇件にしよう」と指示しやすいし、指示された方も納得しやすいですよね。
スモールビジネスは
- 言ったことが、ちゃんと意図通り伝わること
- 伝わったことが行動につながること
が重要です。これがスモールビジネスの売上アップ、ひいては勝負に勝つために必要なことなのです。
まとめ
今回はスモールビジネスが売上を上げていくためには「数字で語る」ことが必要であることをお伝えしました。
理由は
スモールビジネスは、数字で
- 勝負する領域設定
- 「すべきこと」を決める
- 高速PDCAを回す
が勝敗を決めるからでした。
また、
「誰に数字で語る」かも重要です。
数字で語るべき主な相手は
- 見込み客
- スタッフ
- 自分
まさに行動変容を起こしたい相手に対して数字で語るということでしたね。
そして、「どのように語るか」については・・・
- ざっくり数字
- 単位数字
語ることが重要という話でした。
スモールビジネスが「ビジネスというゲーム」で勝っていくにはスモールビジネスならではのやり方があります。そのやり方の一つが「数字で語る」でした。
ではまた
(あ)
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